夫の転勤先で知り合ったママ友A。
知れば知るほどヤバい人だとわかって頭を抱える羽目になった。

地元から離れた場所で友達もいなかった私には、気さくに話しかけてくれるAの存在はありがたかった。
子供抜きでランチをよくしたのだけど、その時のAの愚痴がすごかった。

・旦那は仕事ばかりでワンオペ育児。子供が三人もいるのに！
・姑にいつになったら働くのかと嫌味を言われた。子供が小さいのに！
・旦那職場で浮氣している！相手は会社の後輩！

うんうんと相槌を打っていたけど、毎回同じような愚痴がループして聞いているのが苦痛になってきた。
しかもこちらの話は聞かない。
子供の話もほとんどなかった。こちらから質問しても曖昧なことしか言わないし。

ある日、子供連れで遊びに行こうとなった。
現地集合だったのだけれど、Aはすぐに見つかった。
そこにはAと子供三人プラス女忄生が一人いた。

誰？

挨拶もそこそこにどちら様と尋ねてみた。
「この人はＢさん。うちの子のナニーさんだよ。」

なんですと？

末っ子に至ってはＢさんが抱っこしてるけど。
残りの二人も心なしかＢさんにくっついているけれども。

狐に包まれたような気持ちのまま遊び始めたものの違和感ありすぎ。
一番印象に残ったのが、Ａの子供がはしゃいで転んで泣き出したとき。
子供に駆け寄ったのはＢさんだった。
顔を拭いてやるのも、怪我したところに絆創膏を貼ったのもＢさん。
Ａはニコニコ笑って、子供ってやんちゃよね。と一言。

もう一つ。
お弁当を持ち寄ってお昼を食べたんだけど、Ｂさんが取り出したのは重箱。
「これ、Ｃさんが作ったのよ。」

いやだから誰やねん。

「Ｃさんはうちの家政婦さんだよ。」

なんですと？再び。

お弁当はおいしかったけど。
ナニーも家政婦もいるのにワンオペ育児？

Ａさんの愚痴には散々付き合ったけど、実は問題だったのはＡの方では。
疑問はあっさり解けた。
旦那の会社との取引先の中にＡの旦那の会社があって、そこから真相が伝わった。
社内では有名な話だったらしい。

Ａ旦那は会社の跡取り息子。大恋愛でＡと結婚したそうな。
元は家族経営の会社で、今でも社長やその奥さんも会社で働いてきた。
が、Ａが結婚半年で出産、「産休＆育休宣言！」で一年間休職。
育休が終わる寸前、次の妊娠が発覚からの産休＆育休。計三回繰り返す。
Ａさんの復帰を期待してナニー＆家政婦を雇うも不発。
その間にＡが開けた穴を埋めるために新たに社員（女忄生）を雇う。
若い女忄生が旦那の近くにいる、浮氣！

何というか、Ａさんの愚痴はそりゃそうなるだろうよとしか言えない有様だった。
その後、ＡをＦＯすることにした。
今度、旦那の再びの転勤で完全に縁が切れそうでほっとしている。