32 :スカッとする修羅場まとめ 2020/05/01(金) 15:17:50
子供の頃、父方の一族揃って海水浴キャンプに行った。
伯父と叔母は、祖母の家に寄ってから出発。昼過ぎに着く予定。
俺の家は、親父の仕事の関係で、半日遅れで夕方到着の現地集合。

海への山道を進むうちに俺が車に酔った。途中の展望台になってる場所で小休止。山の向こうに目指す海が見えた。
しばらくすると展望台に一台の赤い車が止まった。
窓を開けて結構な音量でラジカセかけてる車から出てきたのは、男女2人ずつ。
記念写真撮ったり騒いだりしたあと、また車に乗って先に行った。
俺一家も、後を追うように出発。親父に窓を開けたいといったけど、山道で窓なんて開けるもんじゃない。って却下された。
カーブになるたびに、前の赤い車が見え隠れしていた。
ドーン!!って音がした。親父が徐行しだして、暫くするとバックして路肩に止めた。
出るな。と言い捨てて、親父だけ歩いて行った。
お袋は止めたけど、兄貴と俺は抜け出した。
赤い車が事故ってた。 親父が路肩に女二人をを座らせて、声かけてた。のがちらっと見えた。
兄貴が俺の目をすぐに塞いだ。
何か冷たいものを持ってくる。という声で俺たちは慌てて車に戻った。
親父がやってきて、タオルとクーラーボックスの缶ジュースを取り出して戻っていった。
それから展望台まで引き返した。展望台にあった電話で救急車を呼んでいた。
人気のない高台だからか、離れた場所に止めた車にも聞こえてきた。
「女忄生2名は・・・でショック受け・・。運転・・・車・・出せま。1人・・・です。
だから、1人行方不明なんです!」

それから、俺らにタオルケットかぶせて、事故現場を通り越した。お袋は目を閉じてろ。と言われていた。
橋の袂で救急車とパトカーを待った。親父が合図して止めて、説明していた。
案内を頼まれたらしく、親父だけパトカー乗って行っちまった。
親父が帰ってくるまでは、お巡りさんが二人とパトカーが一台残って俺ら兄弟を相手してくれた。
俺らがパトカー見せてもらってる間に、お袋も事情聴取されたみたいだった。

その後はよく覚えていない。
キャンプの思い出も、おぼろにしか覚えていない。
今でも時々、親父の焦ったような「だから1人行方不明です」を思い出す
ある曲を聴くと展望台に赤い車が止まった時のことを思い出して苦しくなる。